出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ザクロ(石榴、柘榴、若榴 Punica granatum)は被子植物のザクロ科の唯一の属であるザクロ属の小高木、もしくはその果実。原産地はイラン東部から北インドのヒマラヤ山地。
果実の赤く硬い外皮を割ると赤く透明な果肉(仮種皮)の粒が無数に現れる。果肉一粒ずつの中心に種子が存在する。
花は子房下位で、蕚(がく)と花弁は6枚、雄蕊は多数ある。果実は秋に熟す(花式図参照)。
分類
現存するザクロ科(Punicaceae)の植物はザクロのほか、イエメン領ソコトラ島産のソコトラザクロ(P. protopunica)の2種のみである。近年発達した分子系統学によるAPG植物分類体系ではミソハギ科(Lythraceae)に分類される。
利用
盆栽
-
- 日本では庭木、盆栽など観賞用に栽培されることが多く、矮性のヒメザクロ(鉢植えにできる)や八重咲きなど多くの栽培品種があり、古典園芸植物のひとつでもある。
薬能
-
- 石榴根皮、苦楝皮、檳榔子
- 果皮を乾燥させたものは石榴果皮(せきりゅうかひ)と言う。成分としてアルカロイド、イソペレチェリン、タンニン等を含有。
- 煎じて飲むと下痢止めや有鉤條虫駆除薬の虫下しになるが、副作用が強く最近は利用されない。
- ラットなどを用いた動物実験では、有効効果の報告もあるが人間での確認は、まだこれからである。
-
- 果汁にエストロゲンが含まれるとして2000年頃ブームとなったが、国民生活センターの試験では検出されていない。[1]また、血流改善効果、美容効果や抗ガン作用効能をうたった商品があるが有効性は科学的に確認されていない。クロザクロの種子の有効性は海外で研究が行われている。[要出典]
料理など
-
- グレナデン・シロップ(ザクロのシロップ)
- シリアとレバノンでは、ザクロの果汁を濃縮して料理の味付けやサラダドレッシングとして用いる。
- 中東、北インド、メキシコなどでは、果肉の粒を煮込み料理やデザート、料理の飾り付けに用いる。
- ケーキ
- 果実のしぼり汁で磨くと湯気でも鏡が曇らないといわれ、風呂の鏡を磨くために用いた。そこから風呂への入り口を柘榴口という。屈み入ると鏡鋳る(鏡を磨くこと)とを掛けたものともいう。
文化
- 初夏に鮮紅色の花を咲かせ、他の樹木が緑の中で目立つため中国の詩人王安石は、『万緑叢中紅一点』と詩に詠んだ。
- 花言葉は円熟の美。子孫の守護。イギリスでは馬鹿という花言葉を与えられている。
- 色が似ているガーネットを柘榴石と呼ぶ。
- 人肉の味に似ているという俗説がある。以下の神話はそれを示唆しているものと思われる。
神話
- お釈迦様が、子供を食う鬼神「可梨帝母」に柘榴の実を与え、人肉を食べないように約束させた。以後、可梨帝母は 鬼子母神として子育ての神になった。
- ギリシャ神話において冥王・ハーデスにつれ攫われたペルセフォネはザクロを口にしたことで1年のうち一定期間を冥界で過すこととなり、母・デメテルはその期間嘆き悲しむことで冬となった。
脚注
- ^ 国民生活センター ザクロを使った健康志向食品エストロゲンは本当に含まれているの?(PDF形式)
参考画像
関連項目